固定されているとどんなメリットがあるのか
法人向けのインターネット回線を導入するときに、複数の固定IPアドレスを、取得すると、何ができるようになるのかを理解するのが、メリットを考えるうえでは欠かせません。
そもそも、固定IPアドレスが、どのようにして使われるのかを知る必要があります。
IPアドレスは、インターネット上で、データの送受信をするときに必要な住所に相当するものです。
あるパソコンから、別のパソコンへ向けて、データを送信するときには、送信元のIPを明確にしたうえで、受信先のIPを指定することになります。
メールを一通送るだけでも、このようなシステムが、メールソフトの中でおこなわれていますが、このIPアドレスはインターネットに接続したときに、自動的に割り振られるのが一般的です。
しかし、勝手にIPアドレスが変わってしまうと、困るケースもあるために、固定することができるようになっています。
例えば、会社のメインサーバーの、IPが変わってしまうと、サーバーへアクセスして、情報を取得するのが難しくなって、IPが変わるたびに、接続先の情報を書き換えなければなりません。
サーバーから、ホームページを更新するようなときにも同様に、特定のIPからでないと、ホームページの内容を書き換えられない仕組みにして、セキュリティーを確保していることもよくあります。
このように、外部から端末へアクセスするときに、この端末だと指定したい時や、外部に情報を送信するときに、この端末からの送信だと明確にしたいときに、IPが固定されていると役に立つのです。
複数あるとどういうことになるのか
複数個の固定IPアドレスを取得すると、複数のパソコンなどの機器を、そのアドレスの番号によって、特定できるようになります。
例えば、会社のサーバーを二つ用意して、運用したいというときには、別々にIPを割り当てることが、必要になるでしょう。
部署毎に、ファイル共有をするための、サーバーを用意するとなると、部署の数だけ、IPを用意しなければなりません。
ホームページの、更新をする担当者がいる場合には、サーバーとは別に、IPを割り振ったパソコンを、使用させるようにすると、サーバーとは独立させられます。
固定IPになっていると、外部からアクセスできるので、不正アクセスを受けるリスクも、高まるのは確かです。
そのため、ホームページの更新用と、社内での情報共有用にIPを分けて、異なるセキュリティーレベルにしておくと、より安心できる形で運用が可能になります。
また、パソコンだけでなく、複合機などの他の機器についても、IPが割り振られています。
複合機に、インターネットからアクセスして、印刷やスキャン、FAXなどをおこなうという場合にも、固定IPになっていたほうが便利です。
自動的に割り振られるようにしていると、印刷したいと思ったときに、毎回複合機を検索して、アクセスしなければならなくなります。
複合機が、複数ある場合には、その数だけ固定IPを取得しておくのが合理的です。
このように、複数の固定IPを取得していると、いつも特定のIPを指定することでアクセスできるようにしたい機器がたくさんあっても、割り振ることができて、便利に使用することができるのがメリットといえます。